食品をネット販売する際、食品表示法にもとづく「栄養成分表示」が義務となるケースがあります。「自分のお店は対象なのか?」「何をどう表示すればいい?」と疑問に思っている事業者さまも多いのではないでしょうか。
この記事では、栄養成分表示の義務内容と、EC事業者として対応すべきことをわかりやすく整理します。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。詳細・最新情報は消費者庁・農林水産省の公式情報や、専門家にご確認ください。
栄養成分表示の義務化とは
2020年4月から、容器包装に入れられた一般消費者向けの加工食品・添加物について、栄養成分表示が原則義務化されました(食品表示法にもとづく食品表示基準)。
ネット通販で販売する容器包装入りの食品も、原則この義務の対象となります。
表示が義務付けられている5項目
以下の5項目を、必ず表示しなければなりません。
| 項目 | 単位の例 |
|---|---|
| 熱量(エネルギー) | kcal |
| たんぱく質 | g |
| 脂質 | g |
| 炭水化物 | g |
| 食塩相当量 | g |
これら5項目は「義務表示5項目」と呼ばれます。必要に応じて、飽和脂肪酸・食物繊維・ミネラル類・ビタミン類なども任意で追加表示できます。
表示方法のルール
表示の基準量
栄養成分は「食品単位(100gまたは100mL)あたり」または「1食分(袋・パックなど)あたり」で表示します。1食分で表示する場合は、1食分の量(○g)を合わせて記載します。
栄養成分表示(100gあたり)
熱量:324kcal
たんぱく質:6.2g
脂質:8.5g
炭水化物:56.8g
食塩相当量:0.6g
「推定値」の表示
原材料の産地や季節によって栄養成分値が変動する場合、「推定値」として表示することも認められています。
栄養成分表示(100gあたり・推定値)
分析値と計算値
栄養成分値の算出には「分析値」(実際に測定した値)または「計算値」(原材料の成分値から計算した値)が使えます。小規模事業者が初期に活用しやすいのは計算値の方法です。
表示義務が免除されるケース
以下のような場合は、表示が免除または特例が認められています。
免除される主な場合
- 生鮮食品(野菜・果物・魚・肉など、未加工のもの)
- 容器包装に入れずにその場で計り売りされる食品
- 極めて小さい容器包装(表示するスペースがない場合)
特定の事業者への配慮 小規模な事業者(食品表示基準が定める要件を満たすもの)については、一定期間の猶予や表示の任意化が認められる場合があります。詳細は消費者庁の情報をご確認ください。
EC事業者として対応すべきこと
1. 商品ページへの記載
義務表示5項目を商品ページのわかりやすい場所に記載します。
多くのEC事業者は、商品説明欄の中に「栄養成分表示」のセクションを設けて掲載しています。実物のラベルと同じ内容・形式が基本です。
2. 実物ラベルとの一致を保つ
商品ページの栄養成分表示と、実際にお客様に届く商品ラベルの内容が一致していることを必ず確認してください。原材料・配合が変わった際は、両方を同時に更新する体制が必要です。
3. 複数商品の管理体制
商品数が多くなると、各商品の栄養成分値の管理が煩雑になります。スプレッドシートや専用ツールで一元管理し、更新もれを防ぐ運用フローを整えましょう。
Mix-JuiceのShopifyアプリ「Fラベル」では、栄養成分情報をデータとして管理し、商品ページへの反映を効率化できます。
よくある疑問
Q. ハンドメイド・手作り品は対象ですか?
容器包装に入れて販売する場合は、原則として対象です。免除要件に当てはまるか保健所や専門家に確認することをおすすめします。
Q. 栄養成分値の計算はどうすれば?
文部科学省の「日本食品標準成分表」をもとに、原材料ごとの成分値から計算する方法が一般的です。専門の分析機関に依頼して実測値を取得する方法もあります。
Q. 表示しなかった場合のペナルティは?
食品表示基準への違反は、行政指導・指示・命令の対象となります。悪質な場合は罰則が適用されることもあります。
まとめ
- 容器包装入りの加工食品をネット販売する場合、栄養成分表示(5項目)は原則義務
- 表示は「100gあたり」または「1食分あたり」で行う
- 商品ページと実物ラベルの内容を一致させる管理体制が重要
- 商品数が増えるほど、栄養成分情報の管理ツール化が有効
食品表示全般についてまとめた「食品をネット販売するときの食品表示 完全ガイド」や、「アレルゲン表示の義務と通販での対応方法」も合わせてご覧ください。
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