食品をオンラインで販売する事業者にとって、食品表示は避けて通れない重要テーマです。店頭と異なり、消費者は商品を手に取らずに購入を判断するため、ネット通販における情報開示の責任はより大きくなります。
この記事では、食品ECで必要な食品表示の全体像を整理し、何をどこに表示すべきかをわかりやすく解説します。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の表示義務の判断は最新の法令・所管省庁の情報に基づいて行ってください。
食品表示法とは
食品表示法(2015年施行)は、食品衛生法・JAS法・健康増進法の表示に関する規定を一本化した法律です。製造・販売する食品の種類に応じて、表示すべき項目と方法が定められています。
ネット販売においても、この食品表示法の基準は適用されます。「通販だから店頭より緩い」ということはなく、むしろ消費者が直接確認できない分、商品ページ上の表示がより重要になります。
商品ページに表示すべき主な項目
1. 名称
その食品の内容を的確に表す一般的な名称を記載します。商品の愛称やブランド名とは別に、「◯◯ジャム」「焼き菓子(クッキー)」のように内容がわかる名称が必要です。
2. 原材料名・添加物
使用した原材料を、食品添加物と食品原材料を区分して、重量の多い順に記載します。原材料名は正式な名称を用い、複合原材料(他の食品から作られた原材料)は括弧内に内訳を表示します。
原材料名:小麦粉、砂糖、バター、卵、食塩 / 膨張剤(重曹)
3. アレルゲン
特定原材料8品目(えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生)は表示義務があります。20品目の推奨品目は任意ですが、積極的な表示が推奨されます。
アレルゲンは原材料名の中で括弧書きにするか、一括して「(一部に小麦・卵・乳を含む)」などと表示する方法があります。
4. 内容量
重量(g・kg)または体積(mL・L)、あるいは個数で表示します。
5. 消費期限 / 賞味期限
品質劣化が早いものは「消費期限」、比較的保存できるものは「賞味期限」を使い分け、年月日(場合によっては年月のみも可)で表示します。
ネット販売では、「お届け時点の消費期限・賞味期限は商品ラベルに記載しています」といった文言と合わせて、期限の考え方を商品ページ上で説明しておくと丁寧です。
6. 保存方法
「直射日光・高温多湿を避け、常温で保存してください」など、適切な保存条件を記載します。
7. 製造者(販売者)
製造者の氏名または名称と、住所を表示します。製造委託の場合は「販売者」として自社情報を記載することもできます。
8. 栄養成分表示
一般消費者向けに販売する加工食品は、熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目表示が義務です(一部例外あり)。100gあたりまたは1食分あたりなど、基準量を明示して表示します。
9. 原産地(原材料原産地)
一部の農産物・水産物、そして主要な原材料(重量割合上位1位かつ50%以上)については、原産国または都道府県の表示が必要です。
通販サイト特有のポイント
「特定商取引法」との関係
食品のネット販売では、食品表示法のほかに特定商取引法にもとづく表示(事業者情報・返品条件など)が必要です。食品表示と特定商取引法表示を一体的に整備しておくとよいでしょう。
商品ページvs実物ラベルの整合
商品ページに記載した情報と、実物に貼付されたラベルの内容は一致している必要があります。リニューアル・仕様変更のたびに両方を更新する運用を徹底しましょう。
商品数が増えると運用コストが跳ね上がる
取り扱い商品が増えると、表示情報の管理が複雑になります。特に原材料の一部変更や添加物の見直しが発生すると、関連する複数の商品ページを同時に更新しなければなりません。
表示情報を「商品説明欄にコピペ」で管理しているケースでは、こうした変更対応でミスが起きやすくなります。詳しくは「食品表示のコピペ運用が危険な理由と改善策」もご参照ください。
まとめ:チェックリスト
商品ページを公開する前に、以下を確認してください。
- 名称(一般的な名称)が記載されているか
- 原材料名・添加物が重量順に区分して記載されているか
- アレルゲン(特定原材料8品目)が漏れなく表示されているか
- 内容量が明記されているか
- 消費期限または賞味期限の表示方針が明確か
- 保存方法が記載されているか
- 製造者/販売者の氏名・住所が記載されているか
- 栄養成分(5項目)が表示されているか
- 商品ページの情報と実物ラベルが一致しているか
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